ウチの会社のお客様は、建設業・製造業・食品関連・医療福祉、等々、日常的にマスクを必要としている業種が多いです。 当然のことながら当社は、大量のマスク類を在庫・販売していました。しかし、昨今の新型コロナ感染拡大に伴い需要が激増…あっと言う間に品不足！当社のメインのお客様へ、お仕事で使うマスクを供給することが難しくなってきました。同時に、コロナ感染拡大を恐れる方々が毎日のように、マスクの入荷日を尋ね、ご来店されます。。。

ちなみに、それまで国内で流通していた不織布マスクは、その８割が輸入品（主に中国製）で、それらのほとんどがストップしました。政府は国産のマスクを３倍に増産すると言うけれど、元々全体の２割しか無かった国産品を３倍にしても、通常の６０％にしかならない訳で・・・ さらにそのうちの８０％を政府が押さえて、医療機関を初め、優先順位の高いところへ供給する、ということは．．．一般の市場には、コロナ騒ぎ以前の１０％程度しか出回らない計算になりますよね。その僅かな量を全国の業者が取りあっているのですから…ウチのような弱小企業に入ってくる訳がないのです！

そんな時、知人の会社が独自にマスクを作り販売し始めたことを知りました。 そうだ！！！当社は、多くのユニフォームメーカーと繋がりがある。もちろん、医療用の白衣も仕入れ可能な訳で…早速、メーカーさんにお願いをして、ナースウェア用の生地を分けてもらい、併せて、アパレル向けに所有しているゴム紐も入手できました。 医療用向けの生地は、基本的に抗菌・制菌の加工がされていて、一般の生地よりも機能性が高いものです。これを利用し、オリジナルのマスクを生産販売することを決意しました！それこそが今、困っている多くの方々のご希望に応える当社の役割ではないかと。

まずは、おつきあいのあった個人の縫製屋さんに少量を縫ってもらい、試験販売をしました。すると、あっと言う間に完売…次はいつ入荷するのか？と問合わせが殺到してしまったのです。 こんな時だからこそ、お客様が買いやすい価格…ワンコイン（￥５００）で買えるマスク、さらに洗って使えることをアピールしたことが注目されたようでした。確かに、安価な使い捨てのマスクと比較しても、洗って何度も使えるマスクならコストパフォーマンスはさほど変わらないですよね。 ところが、仕上がってくるマスクの数よりも予約を受ける枚数が圧倒的に多く、みるみるうちに大量の注文残を抱えてしまいました。慌てて、縫製に協力してくださる方や工場を手当し、徐々に増産できるようになってきましたが、しかし、計画的な生産縫製をすることで、逆に工賃や経費が増大してしまったのです。やむを得ず、安定供給の為には、当初よりも若干値上げをせざるを得なくなりましたことはお詫びしなければなりません。 また、、、そもそも、細菌ではないウイルスに効果のあるマスクではありません。が、飛沫拡散を最低限に押さえることは出来る筈ですから、防塵用・作業用としてはもちろん、一般用途としてご使用頂けると思います。 使用する生地も、医療向けのユニフォーム用途の需要が増えた為、入手が困難になってきています。都度、適正な生地を探しながら、若干の仕様変更はあるかもしれませんが、必要とされる方に少しでも早くご提供できるようにしたいと考えています。 新型コロナの対応は長期戦になるでしょう。将来的にはインフルエンザ並みの扱いになるとは思いますが、今は直面する危険から少しでも回避できるように、フットワークとして出来ることを地道にやってゆきたいと考えます。

＜追記１＞ 最近になって、不織布マスクを中国から引くことの出来るという、多数の商社から紹介が来るようになってきています。ところが、原価は、以前のほぼ１０倍です。。。 あるスーパーのチェーン店が、あえて高額なマスクを仕入れて販売に踏み切ったところ、お客様からは…こんな時に足元を見るような高値で販売するなんて．．．と、店に非難の声が集中したという事例があったそうです。 良かれと考えて行った事も、消費者感情からすると、そんなものなのかもしれませんね。

＜追記２＞ 最近のご要望として、子供・女性向けの小さいサイズのマスクが欲しいという声が聞こえてきます。 しかしながら、当社も緊急事態！今のところそのようなご要望にお応えする余裕がありません。半ば見切り発車したこともあり、充分満足な製品である自信も正直ありません。…が、少しずつ改善しながら、出来る限りの対応をして参りたいと思います。 心苦しいのは、ご予約を受けてからかなりの日数を要していること。少しでも早いお届けが出来るように・・・それが、今私たちの使命だと思うから。

＜追記３＞ 最近は、一般の方たちも独自でマスクを作り始めているようです。自助努力されること、大いに結構だと思います。入手が困難になっているからだとは思いますが、自分の命（健康）は自分で守る、という意識が高まってきた証拠ではないしょうか。 ただ、材料となる生地やゴムひもまで不足していると聞きますが、この際、使えるものは何でも使いましょう。皆で何とか工夫してこの苦境を乗り越えたいものです。